メジャースケールとマイナースケール
第3章へようこそ。第2章では、鍵盤の隣り合う鍵どうしの距離として 半音(最小の 間隔)と 全音(半音2つ分)を学びました。この章では、その半音と全音を 決まった 順番に並べて作る音の階段 — スケール を扱います。スケールは、メロディーやコード、 そして曲全体の「明るい・暗い」といった雰囲気の土台になる、とても大切な仕組みです。 このレッスンでは、まずもっとも基本となる2つのスケール — 明るい響きの メジャー スケール と、もう一つの基準となる ナチュラルマイナースケール を、構成音を ハイライトした鍵盤と、音を順に鳴らす再生部品で確かめていきます。
スケールとは:全音と半音で作る音の階段
ピアノの白鍵を C から順に8つ叩くと「ドレミファソラシド」という、だれもが
知っているおなじみの音の並びになります。この並びは、でたらめに音を選んだもの
ではありません。ある音を出発点にして、全音と半音を決まった順番でならべる こと
で作られています。このように、ある音から決まった全音・半音の並びで作る音の階段の
ことを スケール と呼びます。
スケールの「出発点になる音」を変えたり、全音・半音の並べ方のルールを変えたりすると、 ちがう響きのスケールができあがります。逆にいえば、並べ方のルールさえ同じなら、 どの音から始めても同じ性格のスケール になります。スケールを理解する鍵は、この 「全音と半音の並び方のパターン」をつかむことです。
明るい響きの基準:メジャースケール
最初に学ぶのは メジャースケール です。これは 全全半全全全半 という全音・半音の 並びで作るスケールで、明るくのびやかな響きの基準になります。出発点の音(1番目の音) から、次の音までの間隔を順にたどると、こうなります。
- 1番目 →(全音)→ 2番目
- 2番目 →(全音)→ 3番目
- 3番目 →(半音)→ 4番目
- 4番目 →(全音)→ 5番目
- 5番目 →(全音)→ 6番目
- 6番目 →(全音)→ 7番目
- 7番目 →(半音)→ 8番目(1番目の1オクターブ上)
このルールを C から始めると、ちょうど白鍵だけをならべた C・D・E・F・G・A・B、
そして1つ上の C に戻る並びになります。確かめてみましょう。C→D は全音、
D→E は全音、E→F は(あいだに黒鍵がないので)半音、F→G は全音、
G→A は全音、A→B は全音、B→C は半音 — まさに 全全半全全全半 です。
C から始めるメジャースケールは、シャープもフラットも付かない白鍵だけのスケールに
なります。
Cメジャースケールを鍵盤で見る
下の鍵盤は C4 から C5 までの1オクターブ分です。メジャースケールの構成音
C4・D4・E4・F4・G4・A4・B4・C5 をハイライトしています。ハイライトされた鍵を
左から順にクリックして、1段ずつのぼっていく「ドレミファソラシド」を聴いてみて
ください。となり合うハイライト音のあいだに黒鍵がはさまっている所が全音、
はさまっていない所(E–F と B–C)が半音です。
Cメジャースケールを音の並びとして聴く
鍵盤を1鍵ずつクリックするのに加えて、下の再生ボタンを押すと、Cメジャースケールを
下から上へ、ひと続きの音の並び として自動で鳴らします。一段ずつ着実にのぼって
いき、最後の C5 でしっかり収まる感じ — これがメジャースケール特有の、明るく
落ち着いた流れです。
もう一つの基準:ナチュラルマイナースケール
メジャースケールが明るい響きの基準なら、もう一方の基準が ナチュラルマイナー スケール です。こちらは 全半全全半全全 という、メジャーとはちがう並びで作る スケールで、少し切なく、落ち着いた響きが特徴です。出発点の音から順に間隔を たどると、こうなります。
- 1番目 →(全音)→ 2番目
- 2番目 →(半音)→ 3番目
- 3番目 →(全音)→ 4番目
- 4番目 →(全音)→ 5番目
- 5番目 →(半音)→ 6番目
- 6番目 →(全音)→ 7番目
- 7番目 →(全音)→ 8番目(1番目の1オクターブ上)
この 全半全全半全全 のルールを A から始めると、A→B は全音、B→C は
半音、C→D は全音、D→E は全音、E→F は半音、F→G は全音、G→A は
全音 — こちらも白鍵だけの A・B・C・D・E・F・G、そして1つ上の A に戻る並びに
なります。同じ白鍵でも、出発点と並び方がメジャースケールとちがうため、響きの
性格がはっきり変わるのがポイントです。
Aナチュラルマイナースケールを鍵盤で見る
下の鍵盤は A3 から A4 までの1オクターブ分です。ナチュラルマイナースケールの
構成音 A3・B3・C4・D4・E4・F4・G4・A4 をハイライトしています。ハイライトされた
鍵を左から順にクリックして、メジャースケールとはちがう、少し切ない上り方を聴いて
みてください。半音になっているのは B–C と E–F の2か所で、メジャースケールとは
半音の現れる位置がちがうことが、響きの差につながっています。
Aナチュラルマイナースケールを音の並びとして聴く
下の再生ボタンで、Aナチュラルマイナースケールを下から上へひと続きに鳴らせます。 さきほどのメジャースケールと聴き比べてみてください。同じ白鍵だけを使っていても、 出発点と全音・半音の並びがちがうだけで、明るいメジャーに対して、こちらは少し 影のある落ち着いた流れに聴こえるはずです。
このレッスンのまとめ
- スケール … ある音から決まった全音・半音の並びで作る音の階段。
- メジャースケール … 全全半全全全半 の並び。明るい響きの基準。C から始めると C・D・E・F・G・A・B(白鍵だけ)。
- ナチュラルマイナースケール … 全半全全半全全 の並び。少し切ない響き。 A から始めると A・B・C・D・E・F・G(白鍵だけ)。
- 同じ白鍵を使っても、出発点と全音・半音の並び方がちがえば、スケールの性格は 大きく変わります。
これで2つの基本スケールの「組み立て方」がつかめました。次のレッスンでは、 このスケールが曲全体の基準になる仕組み — キー(調) と 主音(トニック) を 学びます。