MIDI打ち込みとループ素材
前のレッスンで、空のプロジェクトに ソフトウェア音源トラック を作り、1音 を鳴らす ところまで来ました。このレッスンでは、その先——音符を並べてフレーズにする 方法を2つ 学びます。ひとつは MIDI 打ち込み(ピアノロールで自分で音を置く)、もうひとつは ループ素材(できあいの演奏を貼る)です。どちらも、この章の最初のレッスン「DAWの基本概念」で 定義した言葉のまま使います。意味があやふやなら、そのレッスンに戻って確認してください。
パート1:MIDI 打ち込み(ピアノロールで音を置く)
「DAWの基本概念」で定義したとおり、MIDI 打ち込み とは「どの高さの音を・いつ・どれだけの長さ鳴らすか」を データとして 指定する入力方法でした。その作業場が ピアノロール(縦が鍵盤の高さ、横が 時間のマス目)です。ブラウザ教材のピアノロールでマス目をクリックして音を置いてきたのと、 やることはほとんど同じです。
ステップ1:打ち込み用のリージョンを作る
音符は リージョン(音の入った箱) の中に置きます。まず空のリージョンを作ります。
- 前のレッスンで作った ソフトウェア音源トラックを選択 します。
- トラックの上に 空のリージョン を作ります(GarageBand では、トラック上をダブルクリック または「録音せずに空の MIDI リージョンを作る」操作)。
- 横方向の長さは、まず 1〜2小節 くらいの短いものでかまいません。グリッド(マス目)の 小節線を目安に作ります。
ステップ2:ピアノロールを開いて音符を置く
- 作ったリージョンを ダブルクリック(iOS ではタップ) して、ピアノロール(エディタ)を 開きます。
- 画面の 左端に縦の鍵盤、右側に時間のマス目(グリッド) が表示されます。縦が音の高さ、 横が時間です。
- マス目の上を クリック(タップ/鉛筆ツールでドラッグ) して、音符を1つ置きます。置いた 高さの音が、トラックのソフトウェア音源で鳴ります。
- 同じ要領で、いくつか音を並べて 短いフレーズ にしてみましょう。たとえば共通題材の コード進行(C → G → Am → F)の和音を積んでも、単音のメロディを置いてもかまいません。
ステップ3:音の長さ・高さ・位置を調整する
MIDI 打ち込みの利点は、置いたあとから自由に直せる ことです。
- 長さを変える — 音符ブロックの 端をドラッグ すると、音の長さ(音価)が変わります。 グリッドに沿ってのばせば、4分音符・8分音符などの長さにそろいます。
- 高さを変える — 音符を 上下にドラッグ すると、音の高さ(鍵盤の位置)が変わります。
- 位置を変える — 音符を 左右にドラッグ すると、鳴るタイミング(グリッド上の位置)が 変わります。
- 消す — いらない音符を選んで削除します。
ステップ4:再生して確かめる
- 再生ヘッド(再生位置)をリージョンの先頭に戻します。
- 再生 して、打ち込んだフレーズを聴きます。
- リズムがそろっていない・音が違う、と感じたら、ステップ3の調整に戻って直します。打ち込みは 「置く → 聴く → 直す」のくり返し です。
パート2:ループ素材を使う
すべてを打ち込まなくても、できあいの短い演奏 を貼って使えます。「DAWの基本概念」で 定義した ループ素材 です。土台を素早く置いたり、雰囲気をつかんだりするのに便利です。
ステップ1:ループブラウザを開いて素材を探す
- GarageBand の ループブラウザ(ループ素材の一覧。ループのアイコン/「Apple Loops」など)を 開きます。
- ジャンルや楽器(ドラム/ベース/ギターなど)、テンポで 絞り込み ます。プロジェクトの テンポ(90 BPM)に近いものや、自動でテンポが合うものを選ぶと扱いやすいです。
- 候補の素材を 試聴 して、合いそうなものを選びます。
ステップ2:トラックに貼って、くり返す
- 選んだループ素材を、トラックの上にドラッグ して置きます(新しいトラックが自動でできる 場合もあります)。
- 置いた素材は リージョン としてトラックに乗ります。
- リージョンの 端を右へドラッグ すると、フレーズが くり返され(ループし) て長く なります。
- 再生して、打ち込んだフレーズと一緒に鳴らしてみましょう。グリッドにそろっているので、 テンポが合っていれば自然に重なります。
このレッスンで到達したこと
これで、1音だけでなく フレーズ を作る2つの方法が使えるようになりました。
- MIDI 打ち込み — ピアノロールで音符を置き、長さ・高さ・位置を調整し、再生して直す。
- ループ素材 — ループブラウザで探し、トラックに貼り、端を伸ばしてくり返す。
DAW 入門の基本操作はここまでです。新規プロジェクトを作り、テンポを決め、トラックを足し、 打ち込みとループでフレーズを鳴らす——空のプロジェクトから「音が並ぶ」ところまで到達しました。 次のレッスン(章末の確認)で、この章で学んだ基本概念の理解を、クイズで確かめましょう。