三和音(トライアド)
第4章へようこそ。第3章では、ある音から決まった全音・半音の並びで作る音の階段 スケール と、その基準となる 主音(トニック) を学びました。ここまではメロディー のように音を 横に ならべてきましたが、この章では音を 縦に積み重ねて 同時に鳴らす 響き — コード(和音) を扱います。コードは、曲の雰囲気を支える背景の響きであり、 作曲の中心となる部品です。このレッスンでは、コードのなかでもっとも基本となる 三和音(トライアド) を、構成音をハイライトした鍵盤と、コードをそのまま鳴らす 再生部品で確かめていきます。
コードとは:音を縦に積み重ねた響き
スケールやメロディーは、音を時間にそって1つずつならべたものでした。これに対して、 複数の音を同時に鳴らした響き のことを コード(和音) と呼びます。1つの音だけでは 「高い・低い」しか感じられませんが、2つ3つと音を重ねると、明るい・暗い・切ない といった「響きの色」が生まれます。この色こそが、コードを使う一番の理由です。
三和音:ルート・3度・5度の積み重ね
コードのなかでもっとも基本となるのが、3つの音 を積み重ねた 三和音(トライアド) です。三和音は、スケールの上で 1つ飛ばし に音を3つ選ぶことで作られます。 土台となる一番下の音を ルート(根音) と呼び、そこからスケールを2段のぼった音が 3度、さらに2段のぼった音が 5度 です。この ルート・3度・5度 の3音の積み重ねが、 三和音の正体です。
たとえば C メジャースケール(C・D・E・F・G・A・B)の上で、C をルートにして
1つ飛ばしに選ぶと、C(ルート)→ E(3度)→ G(5度)となり、三和音
C・E・G ができあがります。「1つ飛ばしで3つ」と覚えておけば、どの音からでも
三和音を組み立てられます。
明るい三和音と切ない三和音:メジャーとマイナー
同じ「ルート・3度・5度」の積み重ねでも、3度の高さがほんの半音ちがうだけで、 コードの印象は大きく変わります。3度がルートから少し高い(長3度)と明るい メジャー三和音 に、半音低い(短3度)と切ない マイナー三和音 になります。
- メジャー三和音 = ルート + 長3度 + 完全5度 … 明るくのびやかな響き。
例:
C(ルート)・E・G= C メジャー三和音。 - マイナー三和音 = ルート + 短3度 + 完全5度 … 少し切ない、影のある響き。
例:
A(ルート)・C・E= A マイナー三和音。
C メジャー三和音(C・E・G)と A マイナー三和音(A・C・E)は、どちらも白鍵だけで できていますが、3度の位置が半音ちがうため、明るさと切なさという正反対の表情を もちます。第3章で「同じ白鍵でも並べ方で響きが変わる」と学んだのと同じことが、 コードでも起きているわけです。
Cメジャー三和音を鍵盤で見る
下の鍵盤は C4 から C5 までの1オクターブ分です。C メジャー三和音の構成音
C4・E4・G4 をハイライトしています。ハイライトされた3つの鍵を 同時に(または
すばやく続けて)クリックして、明るく開けた響きを確かめてみてください。C4 が
ルート、E4 が3度、G4 が5度です。3つの音が1つ飛ばしできれいに積み上がって
いるのが見てとれます。
マイナー三和音と聴き比べる
C メジャー三和音(C・E・G)に続けて、A マイナー三和音(A・C・E)も鍵盤で
確かめると、3度の音が半音低いだけで響きの表情がどう変わるかがよくわかります。
下の鍵盤は A3 から A4 までの範囲で、A マイナー三和音の構成音 A3・C4・E4 を
ハイライトしています。さきほどの明るい C メジャー三和音と聴き比べてみてください。
三和音をコードとして鳴らして聴く
鍵盤を1音ずつ確かめたら、今度はコードを 1つの響き として続けて聴いてみましょう。 下の再生ボタンを押すと、4つの三和音 C メジャー → F メジャー → G メジャー → A マイナー を順に鳴らします。最初の3つは明るいメジャー三和音、最後の A マイナー だけが切ないマイナー三和音です。明るい響きが続いたあとに最後でふっと表情が変わる ところに、メジャーとマイナーの違いがはっきり表れます。
このレッスンのまとめ
- コード(和音) … 複数の音を同時に鳴らした響き。「響きの色」が生まれる。
- 三和音(トライアド) … ルート・3度・5度 の3音を積み重ねたコード。スケールの 上で1つ飛ばしに3音を選んで作る。
- メジャー三和音 … ルート + 長3度 + 完全5度。明るい響き(例:C・E・G)。
- マイナー三和音 … ルート + 短3度 + 完全5度。切ない響き(例:A・C・E)。
- メジャーとマイナーの差は 3度が半音ちがう ことだけ。これが響きの表情を決める。
これで、コードの土台となる三和音の組み立て方がつかめました。次のレッスンでは、 三和音にもう1音(7度)を積み重ねた セブンスコード と、コード名の読み方を 学びます。