音価と休符
前のレッスンでは、拍・拍子・テンポ・小節という「リズムを数える枠組み」を 学びました。このレッスンでは、その枠の中で 1つ1つの音がどれだけの長さを 持つか を表す 音価 と、音を鳴らさない長さ を表す 休符 を学びます。 音価が分かると、同じ4/4・同じテンポでも、リズムを細かくしたりゆったりさせたり できるようになります。
音の長さ:音価
リズムは、音が鳴るタイミングだけでなく、その音が どれだけの長さ続くか でも 決まります。この音の長さのことを 音価 と呼びます。音価にはいくつもの種類が ありますが、まずは長さを基準にした代表的なものを押さえましょう。
このレッスンで主役になるのは、次の3つの音価です。
- 4分音符 … 1拍ぶんの長さ。「1・2・3・4」と数える、その1つ分にあたります。
- 8分音符 … 4分音符の 半分 の長さ。1拍を2つに割った刻みです。
- 16分音符 … 4分音符の 4分の1 の長さ。1拍を4つに割った刻みです。
長さの関係:割り算でつながっている
これらの音価は、ばらばらの長さではなく、きれいな割り算の関係でつながっています。 4分音符を基準にすると、次のようになります。
- 4分音符1つ = 8分音符2つ分(半分の長さが2つで元に戻る)
- 4分音符1つ = 16分音符4つ分(4分の1の長さが4つで元に戻る)
- 8分音符1つ = 16分音符2つ分
つまり、4分 = 2 × 8分 = 4 × 16分 という関係です。1拍という同じ 長さの中に、4分音符なら1つ、8分音符なら2つ、16分音符なら4つの音を 詰め込める、と考えると分かりやすいでしょう。数字が大きい音価ほど、 1つあたりは短く、その分たくさん刻めます。
音を鳴らさない長さ:休符
リズムは、音を鳴らす部分だけでできているわけではありません。音を鳴らさない 「間(ま)」 も、れっきとしたリズムの一部です。この音を鳴らさない長さを 休符 と呼びます。
休符は音価とまったく同じ単位で数えます。4分休符は4分音符と同じ長さの 「無音」、8分休符は8分音符と同じ長さの「無音」です。このあと使うドラムの グリッドでは、マスをオンにすれば音が鳴り、オフのまま にすればそこが 休符にあたります。音を「置かない」ことも、リズムを作る大切な選択なのです。
8分の刻みで聴く
まずは、1拍を2つに割った 8分音符 が中心のリズムです。下のグリッドは 8マス=1小節で、2マスで1拍(8分の刻み)です。ハイハットが全マスで 鳴るので、トコトコと8つの均等な刻みが聴こえます。
16分の刻みで聴き比べる
次は、同じ1小節をもっと細かく、1拍を4つに割った 16分音符 で刻んだ リズムです。下のグリッドは16マス=1小節で、4マスで1拍(16分の刻み)です。 さきほどよりハイハットの刻みが2倍細かくなっているのが聴き取れるはずです。 キックとスネアは同じ位置(1・3拍目と2・4拍目)に置いてあるので、 ビートの骨格は同じまま、刻みだけが細かくなった ことが分かります。
上の2つのグリッドは同じテンポ(BPM 100)です。拍の進む速さ自体は変わらないのに、 8分のほうはゆったり、16分のほうはせわしなく 聴こえます。これが音価の 細かさの違いです。
ここで、音価(刻みの細かさ)とテンポ(全体の速さ)が別ものであることを 確かめましょう。下には、16分のパターンとまったく同じ並び を、テンポだけ 速く(BPM 140) にしたものを用意しました。さきほどの 16分(BPM 100)と この BPM 140 を聴き比べると、刻みの細かさ(音価)は同じまま、全体の速さ だけが変わっている ことが分かります。
このレッスンのまとめ
- 音価 … 音や休符の長さ。4分音符・8分音符・16分音符などがある。
- 長さの関係 … 4分 = 2 × 8分 = 4 × 16分。数字が大きいほど1つは短い。
- 休符 … 音を鳴らさない長さ。音価と同じ単位で数える。グリッドではオフのマス。
これで、リズムを「数える」ことに加えて「どんな長さで・どこに音を置くか」を 考える土台ができました。次は章末の演習で、ここまで学んだ拍子や音価の理解を クイズと作ってみる課題で確かめます。