転調とは — まずは平行調転調から

転調 とは、曲の途中で キー(中心)を変える ことです。ずっと同じキーの曲が 「同じ部屋の中」だとすると、転調は 部屋の景色をがらっと変えるドア です。 使いどころは大きく2つ — セクションの切り替え(Aメロとサビで表情を変える)と、 終盤の盛り上げ(最後のサビで一段持ち上げる)です。この章では、頻出の3つの型を 耳から覚えます。

いちばん身近な転調 — 平行調転調

第20章で学んだとおり、C メジャーと A マイナーは同じ7音(平行調)です。 つまり A マイナー系のセクションから C メジャー系のセクションへ移る のは、 使う音を1つも変えずにできる、いちばん身近な転調です。

まず、転調なし の例。Aメロ相当の Am–F–G–Am が、サビ相当でもそのまま続きます。

次に、平行調転調 の例。前半(Aメロ相当)は同じ Am–F–G–Am、後半(サビ相当)で C–G–Am–F(C メジャー系) へ切り替わります。

前半の切なさから、後半で ふっと視界が開く のが分かるでしょうか。使っている 7音は同じなのに、中心が A から C へ移る だけで、セクションの景色が変わります。 「Aメロは切なく、サビは開けて明るく」という定番の設計は、この平行調の行き来で 作れます。

まとめ

  • 転調は「景色を変えるドア」。セクション切り替えと終盤の盛り上げに使う
  • 平行調転調 は同じ7音のまま中心だけが移る、いちばん身近な転調
  • Aメロ=マイナー進行/サビ=メジャー進行、と書き分けるだけで成立する

次のレッスンでは、もっと劇的に景色が変わる 同主調転調 と、終盤の定番 サビ前の半音上げ を聴きます。